時々、雨(デリダ)

正義とは不可能なものの経験である。  デリダ「法の力」

 

解決不可能なアポリアを経験することそれこそが正義の経験なのだというデリダの主張は分かるような分からないような気もする。しかし正義とはこのバタイユ的な不可能性を生きることに他ならない。そして言うまでもなく法の根底には無根拠としての暴力がうごめいている。決断することがすなわち不可能性を生きることになる。正義は待ってくれない。我々はただその暴力を生きるしかない。決定不可能なものの幽霊を内在するものとして。