梅雨(マルクス・アウレリウス)

死とは感覚を通して来る印象や、我々を糸であやつる衝動や、心の迷いや肉への奉仕などの中止である。  マルクス・アウレリウス「自省録」

 

これを真剣に考える者にとって死とは好ましいものではあるまいか。何も恐れる必要はないのではないか。実際、我々の多くはこれらの衝動や不安で居ても立っても居られぬ部分があるのではないか。そうなれば我々は一切のものからの解放を一方で憧憬しているのである。これは単なるペシミズムではないだろう。むしろそれはより良き状態への転向とも言い得るのではないか。