曇天。蒸し暑し。(アルクス・アウレリウス)

すべて君の見ているものはまもなく消滅してしまい、その消滅するところを見ている人間自身もまもなく消滅してしまう。きわめて高齢に達して死ぬ者も結局は夭折した者と同じことになってしまうであろう。     

マルクス・アウレリウス「自省録」

 

 

我々はこの言葉を肝に銘じるべきだろう。いわば我々は通常道端で見ている人、いや普段会うような人でさえ、所詮まもなく消えてなくなってしまうわけであり、そう見れば腹の立つこともなくなるだろう。だから今ここで邂逅する人間同士というのは一つの奇跡であり、悪い言い方をすれば何かの錯誤でさえある。とにかく我々はすぐに消え去るこの人生を貴重なものと捉えなければならない。